今回は「速報!第12回事業再構築補助金 公募要領 変更点」についてになります。
2024年4月23日に、第12回の事業再構築補助金の公募が半年以上ぶりに再開されました。
今回は予想通り大幅な制度変更となっておりますので、今回は速報版として変更点について公募要領のページ数と共にお伝えします。
第12回事業再構築補助金 公募要領
第12回事業再構築補助金 公募要領の変更点 前半
公募期間:令和6年4月23日(火)~令和6年7月26日(金)18:00
→約3ヶ月間の猶予があります。想定としては、毎回の如くですが途中で追加ルールとあるということです。
結局その追加ルールは直前にしか出てこないので、最後までくり返し追加情報を見ていく必要があります。
サプライチェーン強靭化枠の復活
→今回は説明を省略します。
事業概要
第12回公募では、既存の事業類型を見直し、今なおコロナの影響を受ける事業者への支援及びポストコロナに対応した事業再構築をこれから行う事業者への支援に重点化を行います。
事業類型
事業類型(A):成長分野進出枠(通常類型) → 旧:成長枠
事業類型(B):成長分野進出枠(GX進出類型) → 旧:グリーン成長枠
事業類型(C):コロナ回復加速化枠(通常類型) → 旧:物価高騰・緊急対策枠
事業類型(D):コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) → 旧:最低賃金枠
事業類型(E):サプライチェーン強靱化枠 → 従前と同様
上乗せ措置(F):卒業促進上乗せ措置 → 従前と同様
上乗せ措置(G):中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 → 旧:無し
→補助上限額は、第11回までと同じように思えますが、結論としては大規模な賃上げを前提とした制度です。ざっくり、今までとだいたい同じぐらいの補助金額です。
補助金額・補助率
[成長分野進出枠(通常類型)]
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数20人以下】100万円~1,500万円(2,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数51~100人】100万円~4,000万円(5,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~6,000万円(7,000万円)
中小企業者等 1/2(2/3)中堅企業等 1/3(1/2)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[成長分野進出枠(GX進出類型)]
中小企業者等【従業員数20人以下】100万円~3,000万円(4,000万円)
【従業員数21~50人】100万円~5,000万円(6,000万円)
【従業員数51~100人】100万円~7,000万円(8,000万円)
【従業員数101人以上】100万円~8,000万円(1億円)
中堅企業等 100万円~1億円(1.5億円)
中小企業者等 1/2(2/3)中堅企業等 1/3(1/2)
※()内は短期に大規模な賃上げを行う場合
[コロナ回復加速化枠(通常類型)]
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員5人以下】100万円~1,000万円
【従業員6~20人】100万円~1,500万円
【従業員21~50人】100万円~2,000万円
【従業員51人以上】100万円~3,000万円
中小企業者等 2/3(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは3/4)
中堅企業等 1/2(従業員数5人以下の場合400万円、従業員数6~20人の場合600万円、従業員数21~50人の場合は800万円、従業員数51人以上の場合は1,200万円までは2/3)
[コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)]
中小企業者等、中堅企業等ともに
【従業員数5人以下】100万円~500万円
【従業員数6~20人】100万円~1,000万円
【従業員数21人以上】100万円~1,500万円
中小企業者等 3/4(2/3)中堅企業等 2/3(1/2)※()内はコロナで抱えた債務の借り換えを行っていない者の場合
[卒業促進上乗せ措置]
各事業類型の補助金額上限に準じる
中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3
[中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置]
100万円~3,000万円
中小企業者等 1/2 中堅企業等 1/3
・P4 年平均成長率(CAGR)は複利計算
・P5 必ず、申請者自身がその内容を理解し、確認の上、申請者自身が申請してください(なお、本補助金を含む国の補助金の電子申請システムであるjGrantsでは代理申請を行うための委任関係を管理する機能は提供していない状況となっております。)。同一パソコンから大量に申請がある場合などは、個別に事情を伺う場合があります。正当な事由なく、申請者自身による申請と認められない場合には、当該申請は不採択となります。
→第11回の代理申請問題について、明確に言及があります。
・P8 補助対象者の要件は、本公募回の公募開始日において満たしている必要があります。また、事業実施期間に限って、資本金の減資や従業員数の削減を行い、事業実施期間終了後に、再度、資本金の増資や従業員数の増員を行うなど、専ら本事業の対象事業者となることを目的として、資本金、従業員数、株式保有割合等を変更していると認められた場合には、申請時点にさかのぼって本事業の補助の対象外となる場合があります。
→意図的に操作をして要件に当てはめるのはNGということ。
・P12 経費、今までと大きくは異ならない。建物費と広告宣伝費が依然として対象の稀有な補助金。
・P16 補助事業の実施にあたって 金融機関 等 から資金提供 を受ける場合は、 資金提供元の金融機関等から事業計画の確認を受けていること。【 金融機関要件】
→予想通り前回のものづくり補助金と同じになりました。融資が必要な事業者は申請が厳しいです。金融機関確認書の取得は昨今のご時世を鑑みるとかなりハードルが高いです。
・P17 2回目の再構築、成長分野進出枠(GX進出類型)
既に事業再構築補助金で取り組んでいる又は取り組む予定の補助事業とは異なる事業内容であること【別事業要件】
既存の事業再構築を行いながら新たに取り組む事業再構築を行うだけの体制や資金力があること【能力評価要件】
→事業が別、資金面で問題ない。
・P17 コロナ回復加速化枠(通常類型)
下記のいずれかを満たすこと。
(a)コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】
(b)再生事業者(Ⅰ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又はⅡ.中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内の者)であること【再生要件】
→コロナ借換保証等で既往債権を仮換えていないと基本的には申請できません。
今までの売上減少ではなく、借換が前提。申請できる事業者がどれだけいるのかを検討する必要があります。
・コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
コロナ借換保証等で既往債務を借り換えていること【コロナ借換要件】 満たさない場合には補助金が引き下げ。
コロナ借換要件を満たさないと補助率3/4が補助率2/3になります。
2022年10月から 2023年9月までの間で、3か月以上最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の10%以上いること【最低賃金要件】
→最低賃金類型の申請が増えることを予想します。
・P18 新市場進出(新分野展開、業態転換)
i.新たな製品・商品・サービスを提供すること、又は提供方法を相当程度変更すること
ii.新たな市場に進出すること
iii.新規事業の売上高が総売上高の10%以上になること(付加価値額の場合は、15%以上)
→変化なし。
・P20 成長分野進出枠(通常類型)は、従前の成長枠と同じで、事務局が指定した業種・業態がメインの類型です。
→やはりこの成長分野進出枠が最も申請者が多いと考えます。業種・業態縛り。追加でどれだけ業種・業態が増えるのかが今後の期待値です。
成長枠リスト
・P32 補助金交付候補者の採択発表:令和6年10月下旬~11月上旬頃(予定)
→今回もかなり長いです。想定としては11月上旬で今までの流れを考えるとさらに延長する場合があります。
成長系は、結局来年に実施する投資の補助金です。
申請の〆切が第18次のものづくり補助金の採択発表後なので、仮にものづくり補助金で不採択となってしまった場合で、両方に当てはまる事業内容の場合には、ものづくり補助金からの再構築への切り替えがあり得ます。前回のものづくり補助金の成長類型は、新規事業ではないと対象外となることがあり、事業再構築補助金と類似しています。
・P34 機械装置・システム構築費
100万円(税抜き)以上のシステム構築費を計上する場合は、実績報告時に、要件定義書(費用見積書を含む)または開発費用算出資料(作業単価、作業工数及び作業時間、固定費用、作業担当者、作業担当者勤務記録等)を提出する必要があります。
→申請時から実績報告の事を詳細まで確認する必要はないですが、当たり前の様に細かく見る必要があります。
・P37 対象外経費
再生 可能 エネルギーの発電を行うための発電設備 及び 当該設備と 一体不可分の 附属設備
(太陽光発電を行うためのソーラーパネルなど※成長分野進出 枠 GX進出類型) に 応募する事業者においても、対象外となりますのでご注意ください。
※FIT・ FIPに関連して売電を行っている場合、関連費用は一切補助対象外となります。
売電を行わない事業において、 BCP等で法令上義務付けられている等、補助事業実施に必要不可欠と判断される場合においてのみ、蓄電池は補助対象となります。
→以前と大きな変更は無いとみました。
事前着手届出の救済措置
第11回公募まで実施していた事前着手制度については、原則廃止。
ただし、経過措置として、以下の場合に限り、補助金の交付決定前であっても事務局から事前着手届出が受理された場合は、令和4年12月2日以降に購入契約(発注)等を行った事業に要する経費も補助対象経費とすることができます。
①第10回、第11回公募において、物価高騰対策・回復再生応援枠又は最低賃金枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、コロナ回復加速化枠(通常類型)又はコロナ回復加速化枠(最低賃金類型)に申請する場合
②第10回公募において、サプライチェーン強靱化枠の補助金交付候補者として不採択となった事業者が、第12回公募において、サプライチェーン強靱化枠に申請する場合
→これは朗報です。既に事業再構築補助金については、1度は不採択となっている事業者にとってのリベンジ補助金を想定されています。
第10回、第11回で不採択となった事業者の救済措置です。
令和4年12月2日以降と第10回と第11回と同じ期間となっています。
第12回事業再構築補助金 公募要領の変更点 後半
・P43 産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)との併給について
成長分野進出枠(通常類型)については、年収350万円以上の正社員(無期雇用)を新たに採用する場合は、厚生労働省所管の産業雇用安定助成金(産業連携人材確保等支援コース)を併給できるケースがあります。上記の助成金について活用を希望する事業者におかれては、申請システムのチェックボックスに記入するとともに、次のイ~ハについて事業計画書に明記してください(記載が無い場合、当該助成金の支給は受けられません)。
→第12回も引き続きあります。
・P45 書面審査委 新規事業の有望度
① 補助事業 で取り組む新規事業が、自社がアプローチ可能な範囲の中で、継続的に売上・利益を確保できるだけの規模を有しているか。成長が見込まれる市場か。
② 補助事業で取り組む新規事業が、自社にとって参入可能な事業であるか。
➢ 免許・許認可等の制度的な参入障壁をクリアできるか。
➢ ビジネスモデル上調達先の変更が起こりにくい事業ではないか。
③ 競合分析を実施した上で、顧客ニーズを基に、競合他社と比較して、自社に明確な優位性を確立する差別化が可能か。
➢ 代替製品・サービスを含め、競合は網羅的に調査されているか。
➢ 比較する競合は適切に取捨選択できているか。
➢ 顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準は明らかか。
➢ 自社が参入して、顧客が商品やサービスの購入を決める際に重視する要素や判断基準を充足できるか。
➢ 自社の優位性が、容易に模倣可能なもの(導入する機械装置そのもの、営業時間等)となっていないか。
→記載の内容が前回までと若干変わりました。
・P46 公的補助の必要性
① 川上・川下への経済波及効果が大きい事業や社会的インフラを担う事業、新たな雇用を生み出す事業など、国が補助する積極的な理由がある事業はより高く評価。
② 補助事業として費用対効果(補助金の投入額に対して増額が想定される付加価値額の規模、生産性の向上、その実現性 、事業の継続可能性 等)が高いか 。
③ 先端的なデジタル技術の活用、新しいビジネスモデルの構築等を通じて、地域やサプライチェーンのイノベーションに貢献し得る事業か。
④ 本補助金を活用して新たに取り組む事業の内容が、ポストコロナ時代の経済社会の変化に対応した、感染症等の危機に強い事業になっているか。
⑤ 国からの補助がなくとも、自社単独で容易に事業を実施できるものではないか。
→こちらも見出しが新規で、➀については書き方が新規です。
・P47 加点項目
【コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者に対する加点(コロナ借換加点)】
・P49 【大幅な賃上げを実施する事業者に対する加点】※市場拡大要件を満たして事業類型
事業計画期間終了までの間、事業場内最低賃金を以下の水準とすること(水準が高いほど追加で加点)。
1.地域別最低賃金より+30円以上
2.地域別最低賃金より+50円以上
・P50【過剰投資の抑制】
各申請者が事業計画策定時に実施した市場分析は、事業計画策定時の情報を元に実施されたものであり、応募申請後、補助金交付候補者の採択発表時までの社会情勢・市場の変化や、本補助金の支援を受けて新たに行われる他社の事業による影響を考慮できておりません。
事業計画書に記載されている市場分析を実施した時点では、当該申請者に優位性が認められた場合でも、実際に申請者が事業を実施する段階においては、その優位性が消滅している可能性もあります。
したがって、特定の期間に、類似のテーマ・設備等に関する申請が集中してなされている場合には、一時的流行による過剰投資誘発の恐れがあるため、別途審査を行います。過剰投資と判断された申請に関しては、事業計画書に記載されている市場分析のとおりに事業を実施することが困難であると考えられるため、大幅な減点を実施します。
→投資の費用対効果、財務的な収益性が高いかどうか、実現可能性があるのかが、審査において大きなポイントなるということです。
・P52 口頭審査 口頭審査は、一定の審査基準を満たした事業者の中から必要に応じて行います。
→がんばりましょう!
・P52 事業計画書
※客観的な審査を実施するため、事業計画書は原本に加えて、事業者名や代表者名などの申請者を特定できる情報をマスキング処理したものを別途提出してください。
→これは初物。
・P54 金融機関・認定経営革新等支援機関による確認書
金融機関等から資金提供を受けて補助事業を実施する場合は、資金提供元の金融機関等による「金融機関による確認書」を提出してください。金融機関等からの資金提供を受けずに自己資金のみで補助事業を実施する場合のみ、「認定経営革新等支援機関による確認書」のみの提出で要件を満たします。
→この金融機関確認書の取得はかなりハードルが高く、真っ先にすべき事項となります。
何度も直前で取得ができなく、申請を断念された事業者の方がおりました。
・P55 固定資産台帳
※補助対象とする機械装置等が、既存 事業で使用 している 機械装置等の置き換えでないことを確認するために使用します。
→新規追加事項です。
事業再構築補助金の申請サポート
壱市コンサルティングでは、中小企業診断士のチームで事業再構築補助金の申請サポートを実施しております。
専門分野をもった、中小企業診断士のメンバーが揃っており、各業界に適した人材が2~3名体制で責任をもって担当します。
第12回事業再構築補助金の申請サポートについては、先着15社様限定で承っております。
十分な準備期間の中で申請まで進めらることが望ましいですが、
実際に補助金が活用できる事業の取り組みなのか、どの申請枠で進めれば有利なのか、採択されるポイントはどこなのかなど、初回は無料相談を実施しています。
第12回事業再構築補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。