今回は「第12回事業再構築補助金~コロナ回復加速化枠 コロナ借換保証等」についてになります。
2024年4月23日より公募が開始されている、第12回の事業再構築補助金ですが、その中で重要な採択ポイントとなっているコロナ回復加速化枠のコロナ借換保証等について解説します。
事業再構築補助金リーフレット
第12回事業再構築補助金 公募要領
第12回事業再構築補助金の概要
コロナ回復加速化枠
第12回事業再構築補助金では今までの事業再構築補助金とは違い制度が大きく変わりました。
その変更点の中で最も大きいのはこのコロナ回復加速化枠です。
コロナ回復加速化枠は、通常類型と最低賃金類型がありますが、どちらもコロナ借換保証等で既存債務を借り換えていることが、要件もしくは任意要件となっています。
今なおコロナの影響を受ける 事業者への支援に重点化して、コロナで抱えた債務の借り換えを行っている事業者や事業再生に取り組む事業者 を支援する制度になりました。
コロナ回復加速化枠(通常類型)の対象となる事業者
必須要件(付加価値額の 年平均成長率 3.0% 以上増加 を求める。)に加え、以下の要件のいずれかを満たすこと
①コロナ借換保証等( (※※)で 既往債務を借り換え ていること
②再生事業者 中小企業活性化協議会等において再生計画を策定中の者又は 中小企業活性化協議会等において再生計画を策定済かつ再生計画成立後3年以内の者)であること
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)の対象となる事業者
必須要件(付加価値額の 年平均成長率 3.0% 以上増加を求める。)に加え、以下の要件を満たすこと
①コロナ借換保証等( 既往債務を借り換えていること(任意)
②2022 年 10 月から 2023 年 9 月までの間で、 3 か月以上 最低賃金+ 50 円以内で雇用している従業員が全従業員の10%以上いること
また、コロナ回復加速化枠を申請する場合には、「応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えている事業者であることを証明する書類」の提出が必須となります。
なお、その他の申請枠となる、成長分野進出枠についても、「応募申請時において、コロナ借換保証等で既往債務を借り換えている事業者であることを証明する書類」を提出する際には、審査加点が得られる仕組みになっています。
要するに、このコロナ借換保証等で既往債務を借り換えている事業者が審査上優遇されるということになります。
コロナ借換保証等
コロナ借換保証等とは下記の制度をいいます。
(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証)
(2)コロナ経営改善サポート保証
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン
(7)[新型コロナ関連]マル経融資
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金
まず前提として、コロナ融資等の融資を受けていることが大前提となります。
コロナ融資とは、いわゆるゼロゼロ融資と呼ばれているもので、コロナ禍で売り上げが減少した中小企業に対して、実質無利子・無担保で融資した資金繰り支援策のことです。コロナ禍が始まった2020年から開始され、政府系金融機関は2022年9月、民間金融機関は2021年3月まで新規貸付の受付をしていました。
日本政策金融公庫を活用した場合、条件を満たすことで個人事業主は最大6,000万円、中小企業は最大で3億円が実質無利子で借りられ、返済が滞った場合でも元本の8割あるいは全額を信用保証協会が肩代わりする仕組みになっていました。
このゼロゼロ融資は、実質無利子・無担保ですが、利子の免除期間は3年間に設定されており、4年目からは利子が発生しており、2023年以降随時利子の返済がもとめらており、資金繰りが厳しい事業者にとっては、この利子の返済負担が懸念されてきました。
そこで、出てきたのがコロナ借換保証等です。2023年1月10日より開始しており、一定の要件を満たした中小企業者が、金融機関との対話を通じて「経営行動計画書」を作成したうえで、金融機関による継続的な伴走支援を受けることを条件に、借入時の信用保証料を大幅に引き下げる制度です。
【対象者】
1. セーフティネット4号の認定(売上高が20%以上減少していること。最近1ヵ月間の実績とその後2ヶ月間の見込みと前年同期の比較)
2. セーフティネット5号の認定(指定業種であり、売上高が5%以上減少していること。最近3ヵ月間の実績と前年同期の比較)
※1.2.について、コロナの影響を受けた事業者は、前年同期ではなくコロナの影響を受ける前との比較でも可
3. 売上高が5%以上減少していること(最近1ヵ月間実績と前年同月の比較)
4. 売上高総利益率/営業利益率が5%以上減少していること(3.の方法による比較に加え、直近2年分の決算書比較でも可)
→第12回事業再構築補助金では、売上減少要件がなくなりましたが、その代わりとしてコロナ借換保証等を受けていることが申請要件や加点項目となっており、上記の4つの売上等の減少があり、コロナ借換保証を受けるために、金融機関による伴奏支援と経営行動計画書を作成していることがその要件となっています。
保証限度額:1億円
保証期間:10年以内
据置期間:5年以内
金利:金融機関所定
保証料(事業者負担) 0.2%等(補助前は0.85%等)
要件 売上または利益率が5%以上減少 など
その他
・100%保証の融資は、100%保証での借換が可能
・経営行動計画書の作成
・金融機関の継続的な伴走支援
取扱期間:2024年6月30日まで(予定)※信用保証協会に保証申込がなされたもの
コロナ回復加速化枠のコロナ借換保証等
コロナ借換保証等の中身をみていきます。
下記の(1)~(9)は各金融機関の商品ラインナップとして考えてもらえるとよいです。
(1)伴走支援型特別保証(コロナ借換保証) → 各行政・都道府県の信用保証協会
(2)コロナ経営改善サポート保証 → 各行政の信用保証協会
https://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/sinyouhosyou/kaizen_saisei/gaiyo.pdf
(3)新型コロナウイルス感染症特別貸付 → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_m.html
(4)生活衛生新型コロナウイルス感染症特別貸付 → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/covid_19_seiei_m.html
(5)新型コロナ対策資本性劣後ローン → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/shihonseiretsugo_m.html
(6)生活衛生新型コロナ対策資本性劣後ローン → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/shihonseiretsugo_seiei_m.html
(7)[新型コロナ関連]マル経融資 → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaizen_m.html
(8)[新型コロナ関連]生活衛生改善貸付 → 日本政策金融公庫
https://www.jfc.go.jp/n/finance/search/34_eiseikaizen_m.html
(9)[新型コロナ関連]沖縄雇用・経営基盤強化資金 →沖縄振興開発金融公庫
https://www.okinawakouko.go.jp/service/purpose/p001/1676538775/
以上、コロナ借換保証等についてみてきましたが、売上高、売上高総利益率、営業利益率が直近で5%以上減少していることが条件となり、今なおコロナの影響を受ける事業者への支援を採択のポイントとしていることがわかります。
事業再構築補助金の申請サポート
壱市コンサルティングでは、中小企業診断士のチームで事業再構築補助金の申請サポートを実施しております。
専門分野をもった、中小企業診断士のメンバーが揃っており、各業界に適した人材が2~3名体制で責任をもって担当します。
第12回事業再構築補助金の申請サポートについては、先着15社様限定で承っております。
十分な準備期間の中で申請まで進めらることが望ましいですが、
実際に補助金が活用できる事業の取り組みなのか、どの申請枠で進めれば有利なのか、採択されるポイントはどこなのかなど、初回は無料相談を実施しています。
第12回事業再構築補助金の申請をご検討の方は、是非お問い合わせいただければと思います。